米国大統領選挙を振り返って_ミネソタ州は民主党支持者の避難所になれるのか?

115日の米国大統領選挙がトランプ大統領の勝利に終わって、米国国内及び海外の政治的な状況も一転した印象がある。

実は、当初は接戦を予想する声が大きく、勝利宣言にはしばらくかかると言う懸念もあったが、トランプ大統領の地滑り的勝利でそれも杞憂に終わった。

ただ、最終的な選挙人の獲得については開票が遅れていた州もあったので、その報道も聞かないままになっていたが、119日のNewsmax

Trump Officially Wins Nevada, All Seven Swing States”

の記事によると、

「ドナルド・トランプ次期大統領が土曜日にネバダ州で正式に勝利し、7つのスイング・ステートの最後を締めくくったことがポリティコによって確認された。」

と述べ、

「トランプ氏はシルバー・ステートでカマラ・ハリス副大統領に50.7%対47.4%と3ポイント差で圧勝した。

この勝利により、トランプ氏の選挙人票の合計は312となり、ハリス氏の226を上回った。 次期大統領の一般投票総数は7400万票を超えた。

トランプ氏は、2004年のジョージ・W・ブッシュ元大統領以来、共和党で初めてネバダ州とその選挙人票6票を獲得した。」

と詳細を説明している。

選挙前は、カマラ・ハリス副大統領と大接戦と言うメインストリーム・メディアの予想報道が支配していたが、蓋を開ければ、トランプ大統領の圧勝であった。

 
 
 
 
 

1110日(日曜日)の早朝時点では、下院選挙は未だ、集計が続いて最終的な決着はついていないようだ。

1110日のBBC

Will Republicans win the House? The outstanding races to watch”

の記事では、

「今後2年間、米下院を支配する政党はまだ決定していないが、共和党は米政府の全権を掌握する過半数に向けてじりじりと前進しているようだ。

土曜日の朝、共和党は下院を掌握するのに必要な218議席にわずかに届かなかった。」

と報じている。

この下院を共和党が過半数を占める意味について、

「上院とホワイトハウスはすでに共和党に移っており、ドナルド・トランプ次期大統領が2025120日に就任した後、自らの政治課題を遂行するための大きな権力を手にする可能性がある。

下院を掌握することで、政党は歳出立法を開始し、政府高官に対する弾劾手続きを開始することができる。」

と報じている。

NY TimesAPの直近の選挙開票を見ると、

共和党:民主党=212210

となっている。

さて、今週の週刊ニュースの本題に移ると、118日のNY Times

Walz Offers Minnesota as a Liberal Escape From Trump”

の記事では、米国大統領選挙で民主党の副大統領候補であったウォルツ・ミネソタ州知事のコメントを紹介し、

「ウォルツ州知事、ミネソタ州をトランプからのリベラルな逃避先として提案。

今週、カマラ・ハリス副大統領と敗れた後、ミネソタ州のティム・ウォルツ州知事は地元で演説し、立ち上がり戦う用意がある と誓った。」

と報じている。

同記事では、

「まず最初に、故郷に帰れてうれしいと言わせてほしい。

あなたは帰ってきた。帰れてよかった。

しかし、皆さん、私はただこの瞬間を認めたいのです。

辛いことだ。負けるのは辛い。

だから、今日、萎えたり、落胆したりしているのなら、私はそれを理解する。

相手側は、選挙キャンペーンに多くの時間を費やし、物事は州に委ねると語り、約束した。

まあ、私はその言葉を信じたい。

しかし、彼らがこの州で憎悪に満ちたアジェンダを持ち込もうとした瞬間、私は立ち上がり、この州のやり方を守るために戦う用意がある。」

とウォルツ州知事の選挙後の地元での敗北宣言の内容を紹介し、

「ミネソタ州は、これまでも、そしてこれからも、嵐から逃れるシェルターとなる。」

と言う同知事の発言を引用し、

「ウォルツ氏は発言の中で、ミネソタ州を中絶、移民、銃、気候変動といった保守的な政策から逃れるリベラルな場所として提供しているように見えた。」

と記者の感想を伝えている。

それでは、115日の同知事のミネソタ州の米国大統領選挙結果をここで見てみよう。

2024年大統領選挙でカマラ・ハリス副大統領がミネソタ州を制し、同州の10選挙人票を確保した。

(ハリス氏:52.4%、トランプ氏: 45.3%となり、 約7.1ポイントの差でハリスが勝利、これは約138000票に相当する。)

116日のCBS News

Minnesota extends blue streak for 13th consecutive presidential election”

の記事では、

「今回の勝利で、ミネソタ州では13回連続で民主党候補が勝利したことになる。

共和党が最後にミネソタ州を制したのは1972年のリチャード・ニクソン氏である。」

と述べ、同州は典型的な“ブルー・ステート”であることを物語っているものの、今回の選挙結果を2020年のそれと比較すると、

「ハリス氏が民主党のミネソタ州支配を維持する一方で、トランプ氏は2020年の選挙と比べて差を縮めることに成功した。

2020年、トランプはバイデンに233,000票以上の差をつけられたが、2024年にはその差は約138,000票に縮まった。」

と述べ、

「 選挙結果は、ミネソタ州における農村部と都市部の格差を引き続き浮き彫りにした。

2016年にトランプが民主党から共和党に寝返った地方の郡の多くは、2024年も赤のままだった。」

と報じている。

ここで注目したいのは、2016年の米国大統領選挙の結果である(クリントン氏:47%、トランプ氏:45%)。

2024年の大統領選挙では、ウォルツ州知事は、副大統領候補としてミネソタ州のみならず全米で知名度を上げたこともあり、今回のリードに繋がっているが、ブルー・ステートと言われたところでも、トランプ大統領は前回より民主党候補とのギャップを縮めており、共和党が次の4年間、公約通りの実績を挙げ、米国をより偉大にできれば、もはやミネソタ州のようなブルー・ステートもスイング・ステートやレッド・ステートへの転換が進むだろう。

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