TikTokの米国禁止を巡る新しい動き

これまで2回に亘って、TikTokの米国禁止を取り上げて来た。

今回は、やまたつさんのYouTube番組でこのテーマを取り上げておられ、Jaff Yass氏と言う保守系のメガ・ドナーがTikTokの大口投資家であると説明されていたので、改めて、TikTokを取り上げてみようと思う。

既に繰り返し取り上げているように、正確にはJaff Yass氏が保有しているのは、TikTokの親会社であるケイマン諸島籍のByteDance Ltd.である。

この企業の株式は、従業員が20%、著名な機関投資家を含む投資家が40%、創業者が20%保有されている。

 

さて、Jaff Yass氏とはどんな人物なのか?そこで、デスクトップ・リサーチをしてみると、なかなか興味深い話が出て来た。

Jeff Yass氏は、フィラデルフィアを拠点とするトレーディング会社Susquehanna International Group, LLP (SIG)の共同創業者で、SIGはプライベートな持ち株会社で、グローバルなトレーディングとテクノロジー企業である。

SIGは、株式、債券、エネルギー、商品、指数、デリバティブ商品、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル、リサーチ、顧客サービスなどを専門とする関連会社から成り立っている。

Jeff Yass氏は、NBC News、WSJ等の報道によると、SIGを通じて、2012年に3百万ドルをByteDanceに投資して、現在は同社の普通株式の15%を保有しており、また、Jeff Yass氏個人でも同普通株の7%を保有しており、その評価額は210億ドルだとしている。

また、SIGのもう一人の共同創業者である、Arthur Dantchik氏がByteDanceの取締役に就任していることにも注目しておこう。

更に興味深いのは、3月22日にDigital World Acquisition Corp.(Ticker: DWAC)の株主がTruth Socialの運営会社であるTrump Media & Technology Group Corp.(Ticker: DJT)との合併案を承認して、3月26日から、Ticker: DJTでNASDAQで売買されることになっているが、昨年12月の届出によると、SIGはDWACの普通株式の2%を保有する大株主であった。

同社の株式は、3月22日の合併承認を受けて株価が上昇し、3月25日には時価総額が18.6億ドルまで上昇した。

Jeff Yass氏は、共和党の予備選挙ではTrump大統領よりもVivek Ramaswamy氏, Chris Christie 氏、Tim Scott氏を支持していたとされる。3月初旬には、マー・ア・ラゴでTrump大統領に面会したと報じられている。

ご存じのように、Trump大統領は国家安全保障上の懸念を理由に、2020年には親会社であるByteDanceに対し、45日以内にTikTokを売却しなければ禁止することを求める大統領令を発令していた。

ところが、今回のTikTokの米国禁止では、言論の自由の観点から懸念を表明し、「”国民の敵 “とみなすフェイスブックを助けるだけだ。」と述べた。

このように従前から大きくスタンスを変えた数日後には、Trump大統領は保守系PAC「クラブ・フォー・グロース」の献金者対象に講演し、同グループの大口支援者の一人であるJeff Yass氏に対して、 “素晴らしい “と呼んだとForbesは報道している。

昨年12月末時点で、Jeff Yass氏は夫婦で2024年の選挙で外部支出団体に約46百万ドルを寄付しているが、この寄付は他のどの個人や夫婦よりも多い。

Trump大統領の立場では、保守系の超大口献金者から支持を取り付けることは、今後の大統領選挙を勝ち抜く上で重要であると言う判断をしたとしても不思議ではないだろう。

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