“既決重罪犯”となったトランプ元大統領

不倫口止め料裁判でトランプ元大統領に有罪評決が出たことを受けて、民主党支持者だろうと思われる人がTikTokの動画で、トランプ元大統領がスコットランドに保有しているゴルフ・コースでプレイ出来ないとか、英国、中国、日本への渡航についても制限を受けることになると主張していました。

有罪評決を受けた後のメイン・ストリーム・メディアは、こぞって、トランプ大統領が“convicted felon”(既決重罪犯(有罪判決を受けた重犯罪者の意味))であることを強調しています。

恐らく、有罪評決の後はそうした表現で、トランプ元大統領がとんでもない人物であると言う刷り込みをしていこうと言うことで、事前に話が済んでいたのかなという印象を受けました。

改めて、今回の裁判では、トランプ元大統領との不倫疑惑を公表させないためにストーミー・ダニエルズに13万ドルを支払った、トランプ元大統領の元弁護士マイケル・コーエンへの支払いに、いわゆる口止め料が入っていたので、勘定科目が弁護士への支払い手数料としたのは、ニュー・ヨーク州法の業務記録改ざんに該当するのではと言うことが争点になっていましたが、これ自体が重罪には該当しないものの、検察側は、トランプ元大統領がニュー・ヨーク州選挙法、連邦選挙資金法、税法違反を隠すためにこれらの記録を改ざんしたと主張した為に、同法では、「事業記録の改ざんは、詐取の意図と他の犯罪の実行または隠蔽の意図がある場合に重罪となる。」が適応されて、トランプ元大統領が“convicted felon”(既決重罪犯)と呼ばれるに至ったと言うことのようです。

と言う訳で、単なる勘定科目の違いくらいの話が、取り巻くストーリーが変わって重罪になったと言うのが私の実感です。

しかし、“convicted felon” (既決重罪犯)に該当とすると、ネット上でデスクトップ・リサーチをした限りでは色々な不便さと向き合うことにもなるようです。

Perplexityを使ってAIサーチをしてみると、政治的なインパクトを除いても、幾つか出て来ます。

個人的および法的な影響

  • 銃器所有と投票権_有罪評決を受けた重罪犯として、トランプは銃を所有すること、公職に就くこと、また多くの州で投票することができません。
  • 海外渡航に係る制約_トランプ大統領の重罪評決により、英国、カナダ、日本、中国など多くの国への旅行が制限される可能性があります。トランプ大統領が再選された場合、一部の国は特別な許可を与える可能性がありますが、現在の重罪犯としての地位は国際的な旅行を複雑にします。

恐らく、前述のTikTok動画は、この辺りのことを認識して、動画をアップしたものだと想像します。

トランプ元大統領は本件については控訴すると言ってますので、7月には量刑が言い渡されますが、刑の執行は先送り出来ないかどうかは法的にチャレンジするのではないかと思われます。

一般に、被告人が有罪判決を不服として上訴する場合、上訴が解決するまで刑の執行を延期するよう裁判所に要求(所謂、 “刑の執行停止”)することが出来るので、裁判所がこの要求を認めた場合、トランプ元大統領は、上訴裁判所が最終判断を下すまで、実刑やその他の刑罰を受けることはないのかなと思量します。

トランプ大統領は、初犯であり、罪状が非暴力であることを考慮すれば、控訴手続き中に裁判所が刑の執行停止を認める可能性は十分にあるのかなと思います。

今回の有罪評決は、トランプ元大統領の今後の大統領選挙や今後の政治的生命にも大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

有罪評決が出た後に、トランプ元大統領への多額の寄付が集まったこと、大口ドナーの支持表明が続いていること、MAGA支持者を中心に結束が一段と強くなっているところを鑑みると、逆風であることは認めつつも、トランプ元大統領への求心力がかえって一段と強くなるのではないかと見ています。

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