アフリカ大陸から撤退が続く米軍

先ずは、ニジェールから。

France 24の報道によると、米国は4月19日(金)、ニジェールから1,000人以上の軍隊を撤退させることで合意した。

米国のカート・キャンベル国務副長官は、ワシントンでのアリ・マハマン・ラミン・ゼイネ首相との会談で、米軍を撤収させることを受け入れ、米国代表団が数日以内に首都ニアメに向かい、秩序ある撤退を手配することで合意した。

ニジェールは長い間、西アフリカのジハード主義者と戦う米仏の戦略の要だった。米国は砂漠の都市アガデスに1億米ドルを投じて基地を建設し、無人偵察機群を飛行させていた。

ニジェール政府との対話は続けているものの、米国は数カ月前から、ニジェールからの撤退が必要になる可能性に備えてきた。

 
 

RTによると、ニジェールの新政権は、2013年以来サヘルで反ジハード主義活動を展開してきたフランスとアメリカとの軍事協定の見直しを始め、ニジェールの旧植民地支配者であるフランスは、昨年末までに軍を撤収するよう命じられた。

このクーデターに対し、アメリカはニジェールへの開発援助を停止したが、アメリカ政府関係者は当初、米軍がニジェールに駐留することに期待を示していたが、ホワイトハウスはニアメの民政復帰を主張し、ニジェール政府は本年3月、ワシントンとの軍事協力協定を停止した。

米国とフランスが好意的でないため、ニジェールは安全保障の必要性をロシアに求めている。

同国の暫定指導者アブドゥラハマヌ・チアニは先月、ロシアのプーチン大統領と会談し、サヘル地域での対テロ協力について話し合った。

その数週間後、ロシアの軍事教官がニアメに装備一式を携えて降り立った、と地元メディアは報じている。

国防総省は先月の声明で、ニジェールがロシアとの関係を深めていること、そしてニジェールとイランとのウラン取引の疑惑について「懸念を表明した」と述べた。

しかし、近年モスクワとの関係を強化しているサヘル国家はニジェールだけではない。

マリやブルキナファソは、それぞれ2021年と2022年に欧米の支援を受けた政権が倒されたが、フランス軍を追放し、新たな安全保障や貿易取引のためにロシアとの連携を深めている。

次は、チャド。RTの4月21日(日)の記事では、チャドは米軍に対し、首都ンジャメナ近郊の空軍基地での活動を停止するよう要請した、と複数のメディアが報じたとしている

その手紙はアメリカの国防担当官宛に送られたものだという。

しかし、その内容についてはさまざまな報道がなされている。

手紙の一通を目撃し、外務省報道官に確認したとするブルームバーグによれば、チャドは米国に「基地での活動を停止するよう」警告しただけだという。

しかし、週明けのCNNは情報筋の話を引用し、別の書簡で米軍はアジ・コセイ基地から完全に撤退するよう命じられたと報じた。

チャドはまた、米軍が国内でどのように活動できるかを規定する文書である位協定を取り消すと脅したとも伝えられている。

「チャドは米軍に撤退を求めていない。米国とチャドは、来るチャド大統領選挙の後が、我々の安全保障協力を見直す適切な時期であることに合意している」と、米国務省報道官はブルームバーグに語ったとされる。

ロイター通信によると、チャドの暫定政府に宛てた別の書簡の中で、米国のAir Force Chief of Staffである、アミーネ・アーメッド氏は、米軍が基地での駐留を正当化する文書を提出しなかったため、米国防担当官に基地での活動を停止するよう伝えたという。

米国務省の報道官はロイター通信に対し、ワシントンは

「我々の安全保障パートナーシップの将来について、チャド当局者と対話を続けている」

と述べた。

別の当局者は、チャドが実際に米軍の撤退を望んでいるのか、それとも現在の状況が来月の選挙を前にした政治的な駆け引きなのかは、まだ不明だと同ニュースに語った。

アメリカはチャドに100人弱のローテーション部隊を駐留させていると言われている。

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