設立75周年を迎えたNATOと変わらぬウクライナの加盟に係るダブル・スタンダード

NATOは4月4日に、設立75周年を迎えた。NATOは旧ソ連を中心とする共産圏による民主主義国家に対する軍事的脅威を受け欧米12カ国で設立。加盟国が32カ国に拡大する中、ウクライナに侵攻するロシアが再びNATOの大きな安全保障上の脅威になっている。

ストルテンベルグNATO事務総長は式典で、米議会でウクライナに対する約600億ドルの支援策が阻止されていることに言及し、「欧州は安全保障のために北米を必要としている。同時に、北米も欧州を必要としている」と述べた。(ロイター)

アンソニー・ブリンケン米国務長官は、NATOの75周年を祝う会議で、「ウクライナは同盟に加盟する予定であり、ブリュッセルでのサミットの目的はその加盟に向けて努力することだ。」と述べ、”同盟の誕生日を記念するサミットは、ウクライナへの援助に賛同する加盟国を維持するための新たな努力も兼ねていた。

その一方で、イェンス・ストルテンベルグ事務総長は、同盟が戦争に直接関与しているとは考えていないことを再確認した。(Euronews)

しかし、前述のブリンケン米国務長官のウクライナのNATO加盟に係る発言とは、異なったトーンの報道も見受けられる。

NY Timesの記事によると、”米独、ウクライナのNATO加盟に反対“であると。「米国とドイツは、ロシアの圧力によるキエフの軍事崩壊を懸念しているにもかかわらず、ウクライナをNATOに受け入れることに消極的である。」と同紙は木曜日に報じた。

同紙は、米国が主導するブロックの当局者は、そのような思い切った動きは「1945年以来ヨーロッパで最大の陸上戦争に巻き込まれる」と懸念しており、NATOは代わりに「中間地点」を探していると付け加えた。こうした懸念はベルリンとワシントンも共有しているとされ、7月にワシントンで開催されるNATO首脳会議でウクライナとの加盟交渉を開始することに反対している。

同時に、彼らはウクライナに対する長期的な安全保障支援の約束を支持している。(RT)

ウクライナのNATO加盟に係る米国のスタンスは、本質では変化しておらず、戦略的な曖昧さとダブル・スタンダードは継続しているようだ。

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