Judging Freedomのインタビューで、Jeffrey Sachs教授は、イラン・イスラエル紛争、中東情勢、そしてトランプ政権の対イラン政策について論じた。サックスは、現在の危機の根本原因はイスラエルの地域覇権戦略と、それを長年支援してきた米国外交にあるとの見方を示している。
まずホルムズ海峡について、サックスはトランプ政権もイランも海峡再開を望んでおり、最終的には航行が正常化される可能性が高いと述べた。仮にイランが通行料を徴収したとしても、米国の制裁や資産凍結によってイランが受けた莫大な経済損失と比べれば大きな問題ではないと主張した。
続いて、Benjamin Netanyahu首相を厳しく批判した。2023年10月7日のハマス攻撃を防げなかった責任を負うべきであり、通常の民主国家であれば辞任していたはずだと指摘する。一方で、問題はネタニヤフ個人ではなく、イスラエル政治全体に広がる軍事主義にあるとも述べた。野党のNaftali Bennettですら対イラン強硬路線を支持していることを例に挙げている。
サックスはまた、米国の政治エリートは共和党・民主党を問わず戦争志向だが、一般の米国民はイランとの戦争やガザでの軍事行動に否定的であると分析した。そのため、もしトランプが本当にイランとの和平を実現するなら、それは米国民の意向に沿う行動だと評価している。
インタビューではトランプの対イラン強硬発言も取り上げられた。サックスは、国家の破壊や指導者の殺害を示唆するような発言は危険であり、暴力や大量虐殺を正当化する風潮を助長すると批判した。また、イスラエルのItamar Ben-Gvir国家安全保障相がレバノン全土への攻撃を主張したことについても、「ファシズム的発想だ」と非難した。
サックスが繰り返し強調したのは「大イスラエル構想(Greater Israel Project)」への批判である。彼によれば、ネタニヤフ政権やその支持勢力は、イスラエルの安全保障を超えて、中東全域での支配的地位を目指している。この構想がパレスチナ問題の解決を妨げ、レバノン、シリア、イランとの対立を拡大させているというのが彼の見方である。
その代替案として、サックスは1967年国境を基礎とした「二国家解決」を提唱した。イスラエルとパレスチナが共存する体制こそが国際法に沿った解決策であり、アラブ諸国との関係正常化や地域の安定にもつながると主張した。
最後に、「イランはトランプを信頼できるか」という問いに対して、サックスは「信頼できない」と明言した。しかし、和平には必ずしも信頼は必要なく、停戦と相互抑止が維持されれば戦争は回避できるとも述べた。そして、トランプがイスラエルの対外強硬路線から距離を置き、イランとの和平に向かうのであれば、その点については支持すると結論づけた。