このJudging Freedomの対談では、Scott Ritterが、米国の対イラン政策、イスラエルと米国内政治の関係、そしてロシア・ウクライナ戦争の今後について、極めて強い言葉で分析を展開した。司会のAndrew Napolitanoは冒頭、米国が「未宣言戦争」を常態化させていると問題提起し、その流れの中で、イラン情勢とロシア・ウクライナ戦争の最新動向をリッターに問いかけた。
まずイラン情勢について、リッターは「停戦は存在していない」と断言した。彼によれば、米国は依然としてホルムズ海峡における海上封鎖を継続しており、それ自体が国際法上の戦争行為に当たるという。彼は特に、Donald Trumpには外交合意を維持する能力がなく、ロシアのSergey Lavrovも以前から「米国、とりわけトランプ政権は合意を守らない」と警告してきたと述べた。リッターはさらに踏み込み、トランプを「合意不能な人物」と評し、その不安定な言動やSNS投稿の一貫性欠如を例に挙げながら、世界は今後「米国と安定的合意を結べない時代」に入ると論じた。
一方で彼は、世界経済の観点からホルムズ海峡の再開は不可欠であり、中国もイランに対して「石油供給維持のためエスカレーションを避けてほしい」と働きかけていると分析した。ただし、イランは軍事的に敗北しておらず、「戦場で得られなかったものを交渉でトランプに与える理由はない」と述べ、イラン側が優位な立場にあるとの認識を示した。彼は、現在の米国は「天気のような存在」であり、予測不能でありながら、各国はその都度適応するしかないとも語った。
イスラエル問題については、リッターはBenjamin Netanyahuの本当の力は軍事ではなく、米国内政治における親イスラエル・ロビーにあると説明した。彼は、米国政治は最終的には「経済」で動くのであり、エネルギー危機やインフレによって米国民の生活が直接打撃を受ければ、イスラエル支援よりも国内経済が優先されると強調した。リッターは、1970年代以来最大級のエネルギー危機が米国に迫っていると述べ、それがトランプ自身の政策によって引き起こされたものであると指摘した。その結果、トランプが政治的生存のためにイスラエルに停戦を強制する可能性は十分あると見ている。
さらに彼は、ネタニヤフ自身もイスラエルの対米依存が危険な水準に達していることを理解しており、今後10年で米国の「資金的へその緒」から脱却する必要性を語っていると紹介した。ただし、その代替先としてリッターが挙げたのはUnited Arab Emiratesであり、UAEがイスラエルとの事実上の軍事・経済同盟を形成しつつあると主張した。彼は、UAEがエネルギー市場で自由な立場を利用して資金を生み出し、それがイスラエル支援へ回る新しい構図を描いていると分析した。
対談後半では、ロシア・ウクライナ戦争が中心テーマとなった。リッターは、この戦争は単なる戦場での消耗戦ではなく、政治、経済、情報、社会心理を含む「総力戦」であると説明した。彼は、Vladimir Putinが経済と外交の両面で慎重な均衡を維持しながら戦争を遂行してきたと評価し、中国などの友好国との関係を損なわないよう細心の注意を払ってきたと述べた。
しかし、英国とウクライナは「メンタル・ウォー(精神戦)」を展開しているとリッターは主張した。彼によれば、これは単なるプロパガンダではなく、「ロシア社会内部に敗北感と無力感を浸透させ、社会そのものを内部崩壊させる戦略」である。ドローン攻撃そのものの軍事的効果よりも、「ロシアは防衛できない」「プーチンは弱い」という印象を国内に広げることが目的だという。そして、この心理戦が徐々にロシア国内で効果を持ち始めていたと分析した。
そうした中で起きたのが、ロシアの学校への攻撃である。リッターは、この攻撃で21人の大学生が睡眠中に殺害されたことが、ロシア社会に極めて大きな衝撃を与えたと強調した。彼によれば、クルスク地域での虐殺以上に今回の事件は象徴的意味を持ち、「ロシアの未来そのものを狙った攻撃」と受け止められたという。特に教師養成学校への攻撃は、「ロシア文化と国家アイデンティティの継承を断ち切ろうとする行為」と認識され、ロシア国民の怒りを爆発させたと述べた。
リッターは、この事件を境にプーチン政権が戦争の性格を変えると予測した。彼によれば、ロシアはもはや限定的報復ではなく、「国家破壊レベル」の継続的攻撃へ移行するという。彼は、交渉は事実上終わり、「ウクライナの無条件降伏まで続く全面破壊キャンペーン」が始まると主張した。また、ロシア国内では既に「これ以上我慢する必要はない」という声が高まっており、今回の事件がプーチンに強硬策へ転換する政治的正当性を与えたと分析した。
さらにリッターは、この攻撃の背後に英国情報機関MI6と米情報機関CIAが存在すると強く示唆した。彼は、標的選定にPalantir TechnologiesのAIシステムが使われたと主張し、AIが学生たちの軍服写真を誤認識して「軍事学校」と分類した結果、攻撃対象になったという独自の見解を展開した。彼によれば、攻撃にはFP1ドローンが使用され、リアルタイム映像を通じて遠隔監視されながら複数回の攻撃が行われたという。
その後のロシアの報復について、リッターは「オレシュニク(Oreshnik)」ミサイルが今後本格的に投入されると予測した。彼はロシアが大量のミサイル備蓄を持っており、さらに欧州との戦争拡大に備えた戦略予備も維持していると説明した。そして、Sergey LavrovがMarco Rubioへ直接電話し、「キエフから米国人を退避させろ」と警告したことを紹介した。リッターは、ロシアはジュネーブ諸条約に基づき事前通告義務を果たしているだけであり、その後に行われる攻撃は「第二次世界大戦以来最大級の欧州首都攻撃になる可能性がある」と述べた。
最後にリッターは、この攻撃の狙いは単にキエフを破壊することではなく、「もし欧州がさらに介入すれば、パリもベルリンもロンドンも同じ運命になる」という視覚的メッセージを欧州に示すことにあると説明した。彼は、ロシアが既にRS-28 Sarmatのような超大型戦略兵器を保有しており、「欧州を壊滅させる能力」を持っていると強調したうえで、現在の欧州指導者たちは現代戦争の現実を理解していないと批判した。