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Glenn DiesenのYouTube番組にScott Ritterが登場。

本インタビューは、ロシアとウクライナ戦争をめぐる情勢が「新たな危険段階に入った」という強い問題意識から始まる。モスクワおよびサンクトペテルブルク周辺へのドローン攻撃が拡大し、従来の前線から大きく離れたロシア本土深部にまで戦闘が波及していることが強調される。リッターは、これらの攻撃はウクライナ単独で実行可能なものではなく、西側諸国の技術・情報・製造支援が不可欠であると断言し、現状は「ウクライナ対ロシア」ではなく「NATOを含む集団的西側対ロシア」の戦争であると位置付ける。

さらに彼は、欧州における対ロシア強硬論の変化に注目する。数年前までは戦争への直接関与を避ける慎重な姿勢が存在したが、現在ではロシア本土への攻撃や長距離兵器の量産が公然と議論されていると指摘する。ドイツ、フランス、英国などが将来的な対ロ戦争を視野に入れて軍備を整えており、既にロシアにとって「反撃しない方が危険な段階」を超えているとの認識が示される。この過程で、バルト三国(特にラトビアやエストニア)を経由した攻撃ルートの存在や、ロシア側がそれを把握している可能性が強調され、地理的にも戦争が拡大しているとの見方が提示される。

ロシアの戦略については、Vladimir Putinがこれまで慎重にエスカレーション管理を行ってきたと評価される。ロシアは意図的に「レッドライン」を曖昧にし、西側の過剰反応を誘発しないように抑制的な対応を取ってきた。しかし、西側がその抑制を「弱さ」と誤認し、段階的にエスカレーションを進めた結果、ついに「最終的なレッドライン」を越えた可能性があるとされる。この文脈で、ロシアの政治軍事思想家であるSergey Karaganovの影響力が重要視される。彼は西側によるロシアの「戦略的敗北」を阻止するため、核を含む強硬な先制措置を提唱しており、その考え方は当初プーチンに否定されたものの、後に核ドクトリンの見直しに反映されたと説明される。

特に重要なのは、ロシアの新たな核ドクトリンである。これは、核保有国が非核国を通じてロシアの戦略的インフラを攻撃した場合、それを核攻撃に準じるものとみなし、核兵器による報復を正当化するという内容である。リッターは、現在のウクライナによる長距離攻撃がまさにこの条件に該当する可能性があるとし、西側がこのリスクを軽視していると批判する。彼によれば、西側はロシアの対応を「ブラフ」と見なしているが、それは重大な誤算である。

戦況については、ロシアが依然として戦場で優勢を維持しているとの見方が示される。消耗戦によってウクライナのみならず西側全体を疲弊させる戦略が機能しているとされる一方で、最近のドローン攻撃はロシアのエネルギーインフラに実質的な損害を与え始めていると指摘される。特に、輸出能力の10〜20%が損傷し、修復に数ヶ月を要する可能性があるとされ、これがロシアにとって無視できない戦略的脅威となっている。したがって、ロシアはこれ以上の損害を防ぐため、早期に「決定的行動」を取る必要があるとの分析が提示される。

リッターは、今後の展開としてロシアによる大規模報復の可能性を強く示唆する。具体的には、キエフの指導中枢への攻撃や、バルト諸国のいずれかに対する見せしめ的打撃が想定されると述べる。さらに、場合によっては西欧の軍需施設や情報拠点への攻撃に発展する可能性も指摘する。ただし、これは段階的エスカレーションの中で行われる可能性が高く、初動では限定的だが象徴的な打撃が選ばれると予測している。

また、バルト地域およびカリーニングラード問題は、潜在的な「爆発点」として繰り返し言及される。バルト諸国による強硬発言やNATOの軍事行動は、ロシアにとって直接的脅威とみなされ、もし衝突が発生すれば短期間で壊滅的な結果を招く可能性があるとされる。この場合、NATOの集団防衛(第5条)が実際に機能するのかという重大な疑問が浮上し、同盟の信頼性そのものが試されると指摘される。

核戦争のリスクについては、極めて悲観的な見解が示される。リッターは、一度でも核兵器が使用されれば、その後のエスカレーションを制御することは不可能であり、最終的には全面核戦争に至る可能性が高いと警告する。彼は、エスカレーションを段階的に管理できるという考え方自体が幻想であり、1914年の第一次世界大戦勃発時と同様に「制御可能だという思い込み」が破局を招くと論じる。

外交的解決については、短期的には極めて困難とされる。EUは外交と軍事強硬策を同時に追求しており、一貫した戦略を欠いていると批判される。一方で、中国(Xi Jinping)が仲介役となる可能性が唯一の現実的な希望として挙げられる。中国が米国および欧州に対し、ロシアの決意の深さを伝え、エスカレーション停止を促すことで、最終的な衝突を回避できる余地が残されているとされる。

総じて本インタビューは、「西側の段階的エスカレーションが臨界点を超え、ロシアが大規模報復に踏み切る可能性が高まっている」という強い危機認識を軸に展開されている。そして最も重要な論点として、「核兵器使用の敷居が下がりつつある現状」に対する深刻な警告が提示されており、現状は冷戦期に匹敵する、あるいはそれ以上に危険な局面にあると結論づけられている。

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