Prof. John Mearsheimer : US Wars Without Morality.

Judging Freedomでの対談では、リアリズム国際政治学の代表的研究者である John Mearsheimer が登場し、米国の道徳・法・戦略の三要素に基づく外交・戦争の正当性を厳密に検討する議論が行われる。冒頭の問いは「軍人が非武装の民間人・非戦闘員を殺害するよう命じられた場合、それは違法命令として拒否できるか」であり、即座に「違法命令であり拒否すべき」と結論付けられる。これは、軍内部でも自明の法解釈であり、議会議員が「違法命令への拒否は軍の義務」と述べた事は法的にも道徳的にも正当だったという立場が示される。一方で、政権や防衛長官がこの発言に激しく反応している背景には、米国が現実に実行している作戦の非道徳性があるという問題提起が続き、カリブ海でのボート攻撃による81名死亡、プエルトリコへの1.8万人の兵力移動、ベネズエラ沿岸への空母展開など具体事例が列挙され、いずれも「脅威インフレ」「正当な戦略的理由なし」「違法性」「説明責任の欠如」として強く批判される。

歴史の検証に進むと、ベトナム戦争初期の兵力投入は1965年3月8日に南ベトナム政府の招請によって行われた防衛支援であり、2003年のイラク戦争のような侵略とは法的構造が異なると説明される。しかし同時に、1963年の Ngo Dinh Diem 暗殺を伴うクーデターに米国が関与した事実は認められ、後継政権の不安定化によって「介入せざるを得ない泥沼」に入り込んだという教訓も提示される。この点から、米国の介入政策は往々にして「善意の道徳的主張」よりも「地政学的・戦略的計算」が決定要因になると強調される。その延長線で、2600億ドルに及ぶウクライナ支援に関しては「初期の道徳的擁護は理解できる」「当時は善意だった」と一定の含みを持たせつつも、結局は戦略的愚行でありウクライナ国民に破滅的結果をもたらした事から、今となってはその反対側こそが戦略的・道徳的優位に立っているという逆転構造が説明される。

議論の後半では、米国外交の最大の非道徳性としてイスラエルへの無条件軍事支援(年間40億ドル規模の契約、オバマ期に署名)が取り上げられ、それがガザでのジェノサイド支援・アパルトヘイト支持に繋がっている現状を強烈に糾弾する論点が登場する。ここでは、「ロビー影響により戦略的利益すら欠如した支援になっている」「米国が得る利益はほぼゼロ」「米国はイスラエルを普通の国家として扱うべきだった」「ロビーが政策判断を歪めている」という多層的分析が行われ、若年層(Z世代・ミレニアル)ではイスラエル支持率が10代%台まで落込んでいるというデモグラフィック構造、党内予備選や市長選など米国内選挙で政治家がロビー圧と支持者基盤の間で板挟みになる構造的問題まで議論が拡張する。

対談の最後では、ウクライナ和平交渉の代表として Jared Kushner と Steve Witkoff が協議主導した経緯や、 Zero Hedge スポンサーの討論告知が行われる。和平案の作成過程ではルビオやケロッグがほぼ関与していなかったと述べられ、政権が内部の親戦派・ネオコン派を意図的に排除した可能性も示唆されるが、結局「交渉で両陣営の非交渉要求を調停するのは論理的に不可能」「戦場決着の後も凍結紛争は必至」「再燃リスクが欧州の安全保障全体を長期的に脅かす」という悲劇的結論で締め括られ、祝日挨拶と次回特番の告知へと流れていく。

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