民主党政権のダークサイド:司法の武器化がBetting Marketsにも適用か

2024年米国大統領、米国上院・下院選挙もトランプ大統領の勝利、共和党が両院で過半数を確保で終わり、選挙に係る色々な話が一気に出て来た。

 
 
 
 
 

今年の選挙を振り返ると、Betting Marketsと呼ばれる賭け屋で前述の選挙予測も賭けの対象となって来ており、そのオッズが事業運営者のWebsiteの上でリアルタイムに更新されており、このオッズが選挙予想に対しても大きく影響を与えるようになって来たのは非常に興味深いことだ。

特に、2024年の米国大統領選挙に係る各種ポール結果の多くは、メインストリーム・メディアのそれを中心にして、カマラ・ハリス副大統領が僅差でドナルド・トランプ大統領をリードしているが、最終結果を断定的に予測するのは困難であると言う大接戦を予測するものが多かったが、Betting Marketsの賭けの方は、10月以降比較的大きな差でトランプ大統領の勝利を予測していたBetting Marketsが多かったように思う。

左のスクリーン・ショットは、Polymarket社のWebsite

Presidential Election Winner 2024”

のものである。

Wikipediaによると、

「このPolymarket社は、米国の金融取引所で、ニューヨーク市マンハッタンのアッパー・イーストサイドに本社を置き、イベント契約を提供する世界最大の予測市場である。

2020年に開始されたこの取引所は、分散型プラットフォームを提供し、個人および機関トレーダーの双方が、経済指標、天候パターン、賞、政治的・立法的な結果など、さまざまな将来のイベントに賭けることができる。」

とされている。

1113日のNew York Post

FBI seizes Polymarket CEO’s phone, electronics after betting platform predicts Trump win: source”

の記事では、

FBI捜査官が水曜日の早朝、Polymarket社のCEOであるShayne Coplanのマンハッタンのアパートを家宅捜索した。

26歳の起業家は午前6時、ソーホーにある自宅のベッドから米司法当局に叩き起こされ、携帯電話やその他の電子機器の提出を要求された。」

と報じた。

同記事によると、

「最悪の政治的大芝居だ。「彼らは彼の弁護士にこれらのものを要求することもできたはずだ。

その代わりに、メディアにリークし、明らかな政治的理由で利用するために、いわゆる家宅捜索を行ったのだ。」

と家宅捜査の状況を伝え、

「コプランには家宅捜索の理由は伝えられていないが、情報筋は、ポリマーケットが従来の世論調査とは対照的に、カマラ・ハリス副大統領に対するトランプの容易な勝利を正確に予測したため、政治的報復ではないかと疑っている。」

との意見も述べている。

今回のFBIによる家宅捜索を見ると、本年8月初旬にやはりFBIに家宅捜索を受けた、元国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)主任査察官で、バイデン・ハリス政権が軍事支援するウクライナやイスラエルに於ける戦争に対して批判的な論調を繰り返して来た、スコット・リッターを思い出す。

この時の家宅捜索は、リッター氏がロシア国営放送であるRTSputnikに多くの記事を寄稿していたこともあり、現政権にとっては、こうした一連の彼の活動が米国の外交政策や大統領選挙に与えるマイナスの影響を考慮して、これ以上の活動を続けるとどうなるか保証しないと言う、政治的な脅しを与えたのではないかと見られていた。

1113日のNew York Times

F.B.I. Searches Home of Founder of Polymarket Betting Website”

の記事では、Polymarket社のCEOへの家宅捜索にFBI側の事情について取材しており、それによると、

「この家宅捜索は、FBIとニューヨーク州南部地区連邦検事局による犯罪捜査の一環であったと、関係者の一人が語った。

捜査の焦点は、コプラン氏(26)がPolymarket社を無認可の商品取引所として運営し、米国内のユーザーに米国政府との和解に違反した賭けをさせていたかどうかにあるようだ、とその関係者は語った。」

と報じている。

無認可の商品取引所を運営していた件に係る、米国政府との和解については、過去にこのような経緯はあったようだ。

  • 商品先物取引委員会(CFTC)はPolymarket社に対し、20221月に適切な登録なしにデリバティブ取引の営業していたとして140万ドルのペナルティを支払うよう命じたことはあった。

  • CFTCは、Polymarket社が商品取引所法で定められた「指定契約市場」または「スワップ取引執行機関」としての認可を受けずに、スワップを構成するバイナリー・オプション契約を提供していたとされたからだ。

  • CFTCとの和解の一環として、Polymarket社は認可されていない市場の提供を停止し、CFTCの規制に準拠していない市場を廃止するよう求められ、米国に拠点を置くユーザーのアクセスを遮断する地域制限を実施し、同プラットフォームは主に米国以外の顧客にサービスを提供し、運営を続けている。

VPN等のツールを用いると、米国市民からもPolymarket社のサービスにアクセスするようなことは技術上可能になることから、米国から見た非居住者に特化したサービスと言う地域制限の実効性を問われたのではないかと想像するが、だからと言って、このようにメディアに家宅捜索をリークするなどして、公に分かるような形で家宅捜索を行う必要は無かったのではないかと思料する。

むしろ、近年の大統領選挙の中で、Betting Marketsの影響が大きくなり、情報を政権有利な形で統制して行きたい現政権の意向が働いた延長線上に今回のPolymarket社のCEOに対する家宅捜索が行われたのではないだろうか。

新政権に来年1月から以降する中で、本件の取り扱いがどのようになって行くのか、見守っていきたい。

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