米国大統領候補のディベートはどうなる?

バイデン大統領の大統領選挙不出馬が発表された後からでも、民主党による大統領候補指名は相当程度バタバタしていた印象を受けた。

この原稿を書いてるのが8月4日であるが、8月3日のNY Timesの

“Election Live Update”

では、

「民主党のカマラ・ハリス副大統領が党の指名を獲得するのに十分な数の代議員の支持を獲得した発表した。」

と報道しており、右往左往した大統領候補選びも、ハリス副大統領で固まった。

 
 
 

確かに、現職の大統領が、大統領候補者のディベートの後に、交代した(正確には、「交代させられた。」)と言う前代未聞の状況下では、ハリス副大統領が引き継ぐと言うのも分からんではないが、彼女の目立たない役割とパフォーマンスの酷さは、彼女のこれまでの言動を見ると明らかではないかと思われる。

そもそもバイデン大統領がハリス氏を副大統領に選んだ当時の状況を考えると、副大統領に必要な資質と言うよりは、民主党が強力に推し進めて来た、左翼・リベラル思想である、DEI(Diversity, Equity, Inclusion)に合致したハリス氏が選ばれたと説明した方が分かり易いのではないか。

米国の左翼・リベラルな社会の中では「非白人」、「女性」と言うカテゴリーに大きくフォーカスが当たっているのは間違いなく、企業の幹部登用や取締役の選任は言うまでもなく、米国の軍隊幹部の登用や先のトランプ前大統領の暗殺未遂事件で問題になったシークレット・サービスの登用に至るまで、「非白人」、「女性」の比率を上げることに大変熱心であり、こういった「DEI」枠の登用比率を組織の目標にすらしているのが現実である。

確かに、こうした「DEI」枠が増えていくことは望ましい一面はあるものの、こうしたポジションに就くのに必要な能力、資質、経験が十分か否かの判断が劣後されていて本当にいいのかと思う。

特に、今、問題にしているのは、米国のみならず世界の政治や経済に大きな影響与える米国大統領候補者指名の話しだ。共和党と比べて人材不足感が否めない民主党ではあるが、今回、大統領候補者に挙がった面々も左翼・リベラル思想が全面に出て、ピンとこ来る人は少なかったが、それでもハリス副大統領よりは優れているのかなと思える候補者はいたと思う。

今回、決して大きな注目は集めなかったが、現職の米国商務省長官はジーナ・ライモンド氏は、元ロードアイランド州知事で、ベンチャー・キャピタルの業界でも勤務経験もあり、これまで注目を集めることの少なかった商務省長官のポジションではあったが、バイデン政権の中では重要な外交政策も一部担うなど、今後が注目される有力候補もいたことも事実である。

オバマ大統領夫妻のハリス副大統領への支持が遅れて注目を浴びていたが、一説によれば、ハリス副大統領で本当に2024年の大統領選挙に勝利出来るのか自信を持てず、支持声明が遅れたとの報道もあった。

さて、話をハリス副大統領の実績や資質に話を戻すと、彼女の副大統領としても業績や貢献が女性の中絶権の擁護くらいしか見当たらいのではないかと思う。

確かに、ハリス副大統領は、彼女は長年にわたり中絶権を支持しており、上院議員時代には州が中絶権に制限を加えることを禁止する法案を共同提案し、また、妊娠20週以降の中絶を禁止する法案に反対票を投じたこともあった。

2022年に最高裁がロー対ウェイド判決を覆した際には、これを強く非難し、ホワイトハウス内で中絶権擁護の主要な声となったのも事実だ。

しかし、それ以外の実績が見当たらないのである。

卓越した外交センスは全くなく、むしろ彼女がロシアの特殊軍事作戦により、領土の一部を侵略されたウクライナ関して、メディアから受けた質問に答えた彼女の小学生の低学年並みの回答を聴いて、本当にハリス副大統領で大丈夫なのかなと心配した方も多数居たと思う。

最近では、米国の高止まるインフレーション対策を尋ねられたインタビュー動画もSNSにアップされているが、明確な施策が思いつかないのか、空虚な言葉の遊びに終始し、インフレ対策とは異なる話題を話すなど、様子は相変わらずの状態のようだ。6

また、バイデン政権によるオープン・ドアの移民政策により発生した、南部国境問題やその後の違法難民の受け入れに伴う問題等の担当を任されていたと言うことにはなっていたものの、ほとんど手を付けることなく、最近では、正式にそうした課題に対峙するように言われたことは無かったと手のひら返しをする始末である。

更に、彼女のスピーチにサブスタンスが乏しく、何を話しているのか、正直分からないような、不思議なものが多数あり、彼女のスピーチの物まねが多数SNSにアップされているのが現実だ。

それでは、何故、このような酷いパフォーマンスでも米国副大統領でも職務が全うできるのかだろうか。

これは、2020年就任したバイデン大統領にも言えることだが、当時から認知能力に問題があった彼が、どうしてここまで大統領職を務めることが出来たのかと言うと、選挙で選ばれていない、政治的登用の一握りの官僚がメディアと軍産複合体と協力して米国を動かしているからだと言える。

それで何とか上手く(?)国の運営を廻して来たのだから、大統領はある意味、トランプ前大統領のようなリーダーシップのある人物は逆にコントロール出来ず困る訳で、そうした人以外なら、DEI基準に合致する方が見栄えが良く、実際、見栄え良くするにはメイン・ストリーム・メディアが大活躍して、SNSにはハリス副大統領に家庭料理をしている動画なども多数上がって、極左・リベラルなイメージを消すのに一役買っているのが現状である。

9月になれば、Fox News主催なのか、abc News主催なのか、今、まだ決まっていないようだが、大統領選挙候補者のディベートも始まるだろう。

ハリス副大統領が、トランプ大統領にいかに対峙するのか大変注目している。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール