インド・モディ首相のロシア訪問

7月5日のCNNの「インド首相、8日からロシア訪問 ウクライナ侵攻後初」によれば、モディ首相がロシアのプーチン大統領に招かれ、7月8日から2日間の日程でモスクワを訪問する予定である。

同記事によれば、モディ首相によるロシア訪問は。ロシアがウクライナに侵攻して以降初めてとなるとのことで、モディ首相が最後にプーチン大統領と会談したのは2022年で、モディ首相は上海協力機構(SCO)の首脳会議の傍らで行われたこの会談でプーチン大統領に対し「今は戦争のときではない」と苦言を呈したとされる。

7月5日のRTの“New Delhi reveals details of Modi’s Russia visit”でも、モディ首相のロシア訪問を以下のように報道している。

  • モディ首相は月曜日の午後遅くにモスクワに到着し、その後プーチン大統領主催の夕食会に出席する。翌日、首相は市内に住むインドのディアスポラの人々に会い、無名兵士の墓に花輪を捧げ、展示会場を訪れる。

  • その後、両首脳は「制限付きレベル会談」を行い、その後代表団レベルの会談を行う予定だとクワトラ外相は明らかにした。また、「多面的な関係全体を見直す」とし、相互の関心事である現代の地域的・世界的問題について意見交換を行うと付け加えた。二国間関係についての話し合いは、防衛協力、投資、教育・文化、そして人と人とのつながりをカバーする予定だ。

7月5日のRTの“Moscow announces defense deals with India ahead of Modi visit”では、モディ首相のロシア訪問を前に、インドとロシアの軍事国営企業とのアライアンスについても以下のように述べています。

  • ロシアの国営企業ロステックは、インドとの防衛協力の一環として、T-72およびT-90戦車用の「マンゴー」ミサイルの現地生産を開始すると発表した。このプロジェクトは、インドの「Make In India」イニシアティブの下で行われ、インドの国防企業の能力を活用して設立された製造施設で行われる。ロステックのチェメゾフ総責任者は、このような産業提携により輸入国が生産能力を発展させることができ、ロステックには競争上の優位性があると述べている。

  • また、ロシア側ではロスボロネクスポート社とロステック国営企業傘下のカラシニコフ・コンツェルン社が、インド側では複数の国営防衛企業が共同で設立した合弁企業は、AK-203カラシニコフ小銃の生産・納入も行っており、この合弁事業は両国間の防衛分野における協力の鮮明な例である。南アジア諸国はロシアが最大の防衛サプライヤーであり、共同開発したBrahMosミサイルがインド軍の主力となっている。

7月5日のThe Guardianの“India PM Modi to meet Putin in first trip to Russia since Ukraine war began”では、中国が絡んだ、ロシアとインドの複雑な関係についても、

「モディの指導の下、インドはウクライナにおけるロシアの行動を非難することを避け、平和的解決の必要性を強調してきた。

しかし、ウクライナでの敵対行為のために、ロシアがインドの主要なライバルである中国と緊密な関係を築き始めて以来、モスクワとデリーのパートナーシップは険悪になっている。

モディは木曜日、西側の同盟に対抗するためにモスクワと北京が創設した安全保障グループの首脳会議を欠席した。

モディは、プーチンと中国の習近平国家主席も出席したカザフスタンの首都アスタナで開催された上海協力機構(SCO)の年次総会に、スブラマニャム・ジャイシャンカール外相を派遣した。」

と述べています。

前述のRTの記事によれば、モディはロシア訪問の後、オーストリアを訪問する予定であり、インドの首相がヨーロッパ諸国を訪問するのは41年ぶりとなります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール