米国にとってイスラエル支援を続けることは、米国の利益に適うのか?

昨年10月イスラエルによるパレスチナへの攻撃が続き、パレスチナ保健省は、2023年10月に紛争が勃発して以来、2024年5月12日現在、35,034人のパレスチナ人が死亡し、78,755人が負傷したと発表した。

ガザ地区の人道状況は、現在も続くイスラエルの軍事攻勢と、主要な国境関門の閉鎖によって壊滅的なレベルに達しており、必要不可欠な援助の入国が著しく制限されていると報道されており、イスラエルの軍事行動とハマスのロケット攻撃により、主要な入国地点であるケレム・シャロームとラファの両交差点が閉鎖されたままであるため、数日間、人道援助がガザに入ることができないようだ。

国連は、援助物資の入国ができないため、ガザは “飢餓状態 “に陥っていると警告している。食料、水、燃料、医療品などの物資が外部に滞留しており、市民の手に届かないからだ。

更に、ガザ地区内の国連援助倉庫やチームも、激しい砲撃と燃料不足のため、既存の援助物資にアクセスしたり、分配したりすることができないとされている。

ウクライナ戦争でも感じたが、何故、こうした悲惨な状況を一日でも早く解消できないのだろうか?

100歩譲って、昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃に対して、初期のイスラエルが報復したことは正当化されたとしても、その後今日に至るまで、イスラエルがガザ地区への攻撃を継続できる十分な根拠を見出すことは難しく、イスラエルの行為はジェノサイドと言っても過言でないだろう。

しかし、米国は民主党も共和党もイスラエル支援については、超党派で一致しており、先月にはイスラエルへの軍事支援予算を成立させた。

改めて、イスラエル・ロビーと呼ばれるユダヤ系の圧力団体の影響力がとてつもなく大きいことを感じる。

国際刑事裁判所(ICC)が、イスラエルのネタニヤフ首相とその高官を戦争犯罪で告発し、早ければ今週にも逮捕状を発行する可能性があると、NBCニュースが4月末報じ、「イスラエルは外交ルートを通じて、令状が発行されるのを阻止しようと努力している」と関係者のコメントを引用して伝えた。

ICCのカリム・カーン検察官は、イスラエル軍とハマスの戦闘員の両方によるガザでの犯罪の疑いを積極的に調査していると述べているが、その容疑は、イスラエルによるガザでの「過度に過酷な」軍事行動、飢餓につながる人道援助提供の妨害、民間人の標的化などに関するものと予想される。

驚いたことに、その後、12人の共和党議員がICCがイスラエル高官に対する逮捕状の提出に踏み切った場合、アメリカは制裁を科すと脅していることが書簡で明らかになったことだ。

この書簡はICC検察官のカリム・カーン氏に宛てたものであり、イスラエル高官への逮捕状の可能性を違法で法的根拠に欠けるものと主張している。

12人の議員は書簡の中で「イスラエルを標的にすれば、我々もあなたを標的にする」と述べており、これらの逮捕状はICCをテロ支援国家と同列に扱うものだと主張している。

制裁の対象はICCの従業員や関係者であり、ビザ制裁も含まれている。

確かに、米国はICCのメンバーではないが、こんな露骨なやり方はICCの検察官やその家族を脅し、司法問題に干渉していると指摘されたとしても仕方ないのではないか。

更に、最近、驚いたことには、マイク・ジョンソン下院議長は5月8日(水)に、バイデン大統領がイスラエルへの攻撃用武器を差し控える意向であることを知り、大統領に裏切られたと感じていると述べ、先月イスラエル、ウクライナ、台湾への援助を成立させるために交わした合意を反故にしたと非難したことだ。

報道によれば、武器の供与を遅らせる行為は、バイデン政権の政治的なメッセージをイスラエルに伝ええるのが目的とされているが、いずれにせよ、下院議長によるバイデン大統領とイスラエルに関するコメントは、下院議長が1,000億ドル近いイスラエル、ウクライナ等への対外援助パッケージを確保するために交わした約束に違反していると非難した初めてのものである点は注目されるべきと思う。

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