Judging FreedomにJeffrey Sachsが登場。
本インタビューでは、米国の対外政策、とりわけ中東における行動とイラン情勢をめぐる問題が、極めて強い批判的視点から論じられている。冒頭では、未宣言戦争や先制攻撃が常態化しているという問題意識が提示され、国家による武力行使が民主主義社会において十分な批判や検証を受けていない現状が指摘される。特に、法的正当性や国際秩序の観点が軽視されている点が、議論の出発点となっている。
続いて議論は、ドナルド・トランプ政権の統治スタイルに移る。サックスは、トランプが法的制約をほぼ受けずに権力を行使しており、公的資源を個人的・政治的利益のために利用していると強く批判する。また、司法制度についても、本来の独立性が損なわれ、大統領の意向に従う形で運用されていると指摘する。さらに、議会や政党内の有力者がこの状況に対して十分な抑制機能を果たしていない点も問題視され、米国の統治構造全体の劣化が論じられる。
対外政策に関しては、特に「標的殺害(ターゲティッド・キリング)」の問題が中心的に取り上げられる。サックスは、イランのソレイマニ司令官の殺害を例に挙げ、これは国際法上の根拠を欠く違法な行為であったと主張する。さらに、こうした超法規的な殺害はトランプ政権に限らず、ブッシュ、オバマ、バイデンといった歴代政権において継続されており、21世紀の米国外交の一部として「正常化」されてしまっていると分析する。
この延長線上で、米国の対外政策の本質が「レジーム・チェンジ(政権転覆)」にあるという主張が展開される。サックスによれば、米国は自国の戦略的利益に反する政権に対して、CIAなどを通じて政権交代を図る行動を繰り返してきた。これは1947年のCIA創設以降一貫した傾向であり、数十件規模の事例が確認されているとされる。そして、その結果は多くの場合、内戦や長期的不安定化、さらには米国自身への逆効果をもたらしていると評価される。
こうした文脈の中で、ニューヨーク・タイムズが報じたイランにおけるクーデター計画が取り上げられる。この報道によれば、米国とイスラエルは、イラン国内の元大統領を利用して現政権を転覆させる構想を持っていたとされる。サックスは、この計画は極めて非現実的かつ危険なものであり、実際には初期段階で失敗したと説明する。具体的には、軟禁状態にあった人物を解放し、政権に据えるための作戦が想定されていたが、その実行過程で混乱が生じ、計画自体が頓挫したとされる。
この作戦の失敗は、軍事的・政治的な影響にとどまらず、経済的にも重大な波及効果をもたらしたと指摘される。ホルムズ海峡の緊張や封鎖、原油価格の急騰、人的被害など、広範な影響が発生し、世界経済にも大きな負担を与えたとされる。ただし、これらの具体的な数値や規模については、本トランスクリプト単独では検証が必要な領域である。
さらにサックスは、こうした行為が国連憲章の原則、すなわち主権国家の領土保全と政治的独立を尊重する義務に明確に違反していると指摘する。にもかかわらず、米国はこれらの原則を無視し続けており、国際秩序の根幹を揺るがしているという認識が示される。また、1975年のチャーチ委員会以降、情報機関の活動に対する本格的な監査が行われていない点も、説明責任の欠如として強調される。
イスラエルとの関係については、トランプがネタニヤフに対して優位に立っているとの見方が提示される。サックスは、トランプが意思決定を行えばイスラエルはそれに従うとし、現在の中東政策も最終的には米国側の承認のもとで進められていると解釈する。したがって、イスラエルの行動は単独ではなく、米国の戦略と密接に結びついているとされる。
最後に、現在の危機の構造について、軍事的解決は現実的ではないとの認識が示される。イランは報復能力を持ち、全面衝突は中東全体の崩壊と世界経済の深刻な打撃につながる可能性があると警告される。そのため、サックスは唯一の現実的解決策として、米国が介入を停止し撤退することを挙げる。すなわち、軍事的圧力や政権転覆を試みるのではなく、状況を収束させるためには「関与をやめること」が最も効果的であるという結論に至る。