米国大統領選挙_Update

バイデン大統領がトランプ前大統領とのCNN主催のディベートで酷いパフォーマンスを示したことを受けて、一部の民主党や国会議員、州知事、大口ドナーに加えてメインストリーム・メディア等から、バイデン大統領に対して、大統領候補者を辞退して、後進に道を譲ることを求める動きが活発化しています。

バイデン大統領自身は、依然として、2024年の大統領選挙を戦うことは断念していませんが、“バイデン下ろし”の要求は大きくなるばかりです。

また、興味深いことに、バイデン大統領の酷いパフォーマンスのディベートの後、メインストリーム・メディアが、一斉に加齢から来る、バイデン大統領の職務執行能力の欠如を指摘し、米国大統領選挙からの撤退を求めたところを反グローバリストの立場から観察しますと、

これは、前述のディベートでトランプ大統領と対等あるいは打ち勝つパフォーマンスを見せられないのなら、大統領選挙への継続参加は認めないと言う、シナリオが事前に関係者の間で徹底していたのではないかと推測します。

民主党の大統領候補者指名に向けての現状を鑑みますと、バイデン大統領自身はまだ、ファイティング・ポーズを取っているものの、大口ドナーや企業家団体が大統領選挙からの撤退を要求する声が強いことから、8月に開催予定の民主党全国大会(DNC)で、評議員の投票を経てバイデン大統領が承認を受けた後、バイデン大統領からの名誉ある撤退宣言が出て、代替候補の選出と言う流れに落ち着くのではなでしょうか。

そして肝心の代替候補者ですが、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムやミシガン州知事のグレッチェン・ホイットマー等の名前も有力候補として名前が出ていますが、最後は、副大統領のカマラ・ハリスに落ち着くのではないかと見ています。

ハリス副大統領の職務執行能力や発言等を見ると、ハリス副大統領の資質を疑問視する声は大きく、必ずしも民主党の次期大統領候補者としてベストではないことは民主党も重々承知の上であると思いますが、彼女が副大統領に選ばれた経緯を考えると、先ず第一に、女性且つ黒人と言う支持層を代表していることが判断根拠としてあり、ハリス副大統領を除外して、白人の他の州知事を大統領候補者に選択することは、大接戦の米国大統領選挙を戦うことは困難であると見ています。

そもそも、実務能力やリーダーシップの経験をベースに副大統領を選んでいる訳ではなく、ジェンダーやレースを基軸に、多様性やインクルーシブを重視した流れにあることは忘れてはいけないことなのかなと思料します。

更に、実務能力やリーダーシップと言うことで言えば、バイデン大統領もこの4年間は決して褒められる出来ではないものの、チーム・バイデンがそこをカバーしながら、何とかやって来たことを考えると、ハリス副大統領が米国の大統領になったとしても、同様に何とかするしかないと言う覚悟は民主党には十分あるのではないでしょうか。

加えて、独立ジャーナリストのSeymour Hershが指摘している通り、ハリス副大統領が大統領候補者として指名出来れば、2億ドル以上ある民主党の選挙資金も利用できることは、他の候補者には無い、大きな利点であると言えるでしょう。

それでは、ハリス副大統領が大統領候補者として承認された場合の副大統領候補者はどうなるのでしょうか。

前述の2名の州知事も候補者には挙がっていますが、より有力な候補者としては、ロイ・クーパー (ノース・カロライナ州知事)やアンディ・ベシア(ケンタッキー州知事)の2名です。

トランプ前大統領から見れば、仮に極左のハリス副大統領が民主党の大統領候補者として承認されたとしても、妊娠中絶問題を除けば、ディベートをしても不利になるようなことはなく、CNN主催のディベートと同様なルールであれば、圧勝できるのではないかと見ています。

一点、ハリス副大統領が民主党の大統領候補者となった場合に、トランプ前副大統領が既に選んだとされる副大統領候補者に再考の余地を与えるか否かは興味深い問題です。

ここでその質問をAIのPerplexityに尋ねてみると、以下のような回答がありました。

  • トランプ前大統領が副大統領候補を選ぶ際には、忠誠心、人口統計学的アピール、選挙戦を補完する能力など、さまざまな戦略的考慮事項が影響する。これらの要素は、一般的に民主党候補が誰であるかとは無関係である。

  • トランプ氏は、副大統領候補者についてはすでに決定しており、共和党全国大会の近くか大会中に発表する予定であることを示唆している。この段階で彼の選択を変更することは、論理的に複雑であり、優柔不断または最初の選択に対する自信のなさの表れと受け取られる可能性がある。

ハリス副大統領が民主党の大統領候補者となった場合、来る大統領候補者間のディベートのダイナミックスと大統領選挙戦略には大きな影響を与えることになるものと思われます。

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