頭をもたげる「日本売り」リスク

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    Tony
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    みずほ証券の金利ストラテジーウィークリーから。

    頭をもたげる「日本売り」リスク

    今週、ドル円レートが160円台まで再上昇し、為替市場では引き続き円安基調の根強さが目立っている。ここもとの為替の動きで特別に留意しておかなければならないのは、日米金利差が縮小しているにもかかわらず、特に緩和正常化への思惑から円金利が上昇しているにもかかわらず、円安が進行していることである。

    日米金利差に反して(特に円金利が上昇しているにもかかわらず)円安が進行しているという動きから連想されるのは、国債消化や財政持続性への不安から、日本の資産が全般的に売られるいわゆる「日本売り」の動きである(概念図を図表 1.5 に示した)。特に、足元日銀が踏み出そうとしている QT は国債の消化構造を大きく変え得る政策であり、(特に政府部門が多大な債務を抱える日本では)加減を間違えれば国債消化不安から「日本売り」につながりかねない政策と言える。そして、金利差と明らかに逆行する形で円安が進み始めた時期が、日銀の国債買い入れ減額(QT)が市場で意識され始めた時期と概ね重なっていることは、QT(への思惑)が実は円高ではなく(「日本売り」による)円安要因になっているのではないかという疑惑を生じさせる。

    もちろん、足元日本株が底堅く推移していることなどからは、少なくとも現時点で全面的な「日本売り」の動きが生じているわけではないことも示唆されている。一方で、足元の円安の原因の一つとなっている投機筋の円売りの中に、少なくとも部分的に国債の消化と財政へのリスクが意識されている可能性も否定できないだろう。

    すなわち、日銀の QT の規模が抑制的なものになれば、通常の金利差の観点から円安傾向が続く(少なくとも大きく円高には振れない)一方で、QT の規模が過大なものになった場合にも、国債の消化不安と金利の急上昇に伴う日本の財政持続性への懸念から、円安が進む可能性があり、円売り投機のリスク・リターンが良好に見えている可能性はある。仮にそうであるとすれば、既に現状で少しずつではあるが、図表 1.5 のようなスパイラルが始まりつつあるとさえ見ることが出来るだろう。

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