いよいよ、バイデン大統領vsトランプ前大統領のディベートだ!

6月27日にいよいよ、バイデン大統領vsトランプ前大統領のディベートが開催されます。

今回は、CNNが主催のディベートで、開催に先立ち色々なルールを決めています。主なものは、以下の通りです。

  • 候補者の発言の順番が回ってきた時以外は、マイクはミュートされます。この措置によって、発言の中断を防ぎ、各候補者の発言時間を確保することができるとしています。

  • 討論会にはスタジオの聴衆は同席しません。従前のディベートとは異なり、スタジオの聴衆からの妨害等を最小限に抑えることを期待しています。

  • 90分の討論会では、2回のコマーシャル休憩が入る予定ですが、の休憩時間の間に、候補者は選挙スタッフと話すことは認められておらず、戦略的な相談や調整ができないようになっています。

  • コイン・トスに勝ったバイデン大統領は、演壇の位置と閉会のスピーチの順番の内、演壇の位置を選んで、右側の演壇を選び、視聴者のテレビ画面の右側に立つことになり、トランプ前大統領は左側に立つことになりました。一方で、トランプ前大統領は、最後に閉会のスピーチをすることになりました。

  • 候補者は小道具や事前に書いたメモを壇上に持ち込むことはできません。候補者にはCNNからペン、メモ用紙、水1本が支給されます。小道具には、プロンプターやイヤフォンも含まれています。

  • 候補者による、冒頭のスピーチはなく、代わりに、ディベートは質問で始まり、各候補者が2分間回答する段取りです。その後、1分間の反論とそれに対する回答があり、司会者の判断で追加時間が設けられます。討論会の最後には、各候補者が2分間の閉会のスピーチを行います。

  • 討論会の司会はCNNのアンカー、ジェイク・タッパーとダナ・バッシュが務めます。

CNNは、反トランプ姿勢が明確なメイン・ストリーム・メディアであることには変わりなく、司会の一人のジェイク・タッパーは、トランプ前大統領の大統領在任中、そしてそれ以降も、声高に批判しており、トランプ大統領の任期を「長い国家の悪夢」と表現し、何度もトランプの行動や政策を批判してきました。

もう一人のバッシュもまた、何度もトランプ前大統領を批判してきました。

例えば、選挙演説でのトランプの主張やレトリックを論破し、侮辱、悪口、虚偽の例を強調しています。

どんなに、司会の二人が中立・公平な立場を取って質問すると言ってみても、トランプ前大統領にとって難しい質問が与えられ、バイデン大統領が答え易い質問が出ることは、トランプ前大統領は覚悟しているでしょう。

もっとも、トランプ前大統領は、こうした反トランプ姿勢のメイン・ストリーム・メディアとのインタビューも何度も経験しており、例えば、2023年5月10日、ケイトラン・コリンズが司会を務めるドナルド・トランプ前大統領とのCNNタウンホールが開催されました。

トランプ前大統領がCNNに登場するのは2016年以来でしたが、賛否は色々あるにせよ、トランプ前大統領がかなり強いインパクトを残したのは間違いありませんでした。

一方で、今回のディベートのルールでは、加齢から来るインテリジェンスや認知力の低下で職務執行能力が疑問視されるバイデン大統領にとっては大きなチャレンジであることは間違いないでしょう。

ジャーナリストのシーモア・ハーシュの直近のSubstackの投稿でも、

「討論会の夜には、バイデン大統領が集中力を切らさず、的確な論旨を述べることができるかどうかが注目される。」

と述べています。

同氏は、

「民主党幹部と民主党の主要な資金調達者(主にニューヨークの大口献金者)の間には、バイデン大統領が11月にトランプを打ち負かすことができるのかという深刻な懸念があり、バイデン大統領は来週、3月の一般教書演説で見せたような激しさを見せなければ、支持者を満足させることはできないだろう」

として、来週のディベートの結果次第では、

「バイデン大統領は8月にシカゴで行われる民主党全国大会に出席し、第1回投票で代議員勝利の栄誉を受けた後に、その後指名を辞退し、民主党の大統領候補の指名プロセスをすべての人に開放することになる」

と述べています。

このバイデン勇退のシナリオについては、2024年アメリカ大統領選挙の共和党候補者であった、ヴィヴェック・ラマスワミはより積極的なトーンで彼のSNSを通じて語っていて、

「従来に比べてかなり早い時期に大統領候補者のディベートが設定されたのは、バイデン大統領がこのディベートで酷いパフォーマンスを出した場合でも、8月の民主党全国大会で他の候補者を選定できるようにする為である。」

と主張しています。

確かに、これまでのギャビン・ニューサム知事の発言を見ると、一貫して、バイデン大統領を支持する姿勢を取っていますが、彼のバイデン大統領を称賛する様子をSNS等でみると、まるで原稿を読んでるような感じで、逆に、彼自身の野望を積極的にかき消して来たような印象を受けます。

それでは、仮に前述のようなシナリオになった場合に民主党の代替候補者は誰になるかというと、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事ではないかと言う声が圧倒的です。

シーモア・ハーシュは、カリフォルニア州の知事に加えて、イリノイ州知事のJ.B.プリツカーの名前も出していました。

このような状況で、6月22日のNEWSMAXの“Rasmussen Poll: Only 32% Approve of Newsom Replacing Biden”の記事の中で、

「ジョー・バイデン大統領の低い世論調査数と彼の認知能力に対する広範な懸念にもかかわらず、有権者の大多数はカリフォルニア州知事を承認しないだろう。」

と述べ、ラスムッセン・レポートの調査によると、11月の大統領選挙に於いて、有権者の32%だけが、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の主な対戦相手として、ギャビン・ニューサムが81歳のバイデン大統領に取って代わることを承認すると報道しており、現時点では、民主党内の支持を集めるのに苦労しているようです。(そのようなギャビン・ニューサムへの交代を強く承認するのは僅か12%でした。)

いずれにせよ、6月27日開催のディベートは、今後の大統領選に大きな影響を与えることは間違いなく、今から来週木曜日が大変楽しみです。

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