TikTokの米国に於ける利用禁止_Update

トランプ新政権が来年120日から開始するに当たって、TikTokの米国利用禁止についても大きな動きが出ているので、ご案内したい。

 
 
 

126日のNY Times

U.S. Ban After Losing Bid to Overturn New Law”

の記事の中では、

TikTokは、金曜日に連邦裁判官のパネルが、1月中旬までに人気のある中国所有のビデオアプリの禁止につながる可能性のある新しい法律を全会一致で支持したため、米国で消える一歩手前まで来ている。」

と報じ、

「コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所の3人の裁判官は、法律を覆すためにTikTokの請願を拒否した。」

と伝えており、

「この決定は、TikTokにとって最大の市場のひとつである米国で、致命的な打撃となる可能性がある。」

と分析している。

TikTok側は、最高裁に控訴する意向を示している。127日のabc News

Federal appeals court rejects TikTok’s bid to overturn US ban”

の記事では、

「最高裁はアメリカ人の言論の自由を守るという歴史的な実績があり、この重要な憲法問題に関してもそうしてくれることを期待している。

残念なことに、TikTok禁止令は不正確で欠陥のある仮定の情報に基づいて考え出され、押し通されたものであり、その結果、アメリカ国民に対する明白な検閲をもたらした」

TikTokは述べたと報じている。

TikTokの支持者からは今回の判決について、否定的なコメントを寄せている。

126日のCNN

TikTok is one step closer to being banned in the US”

の記事の中では、判決後の声明で、ACLUの国家安全保障プロジェクトのパトリック・トゥーミー副所長は、

「この判決は欠陥のある危険な前例となる」

と述べたと報じ、

TikTokを禁止することは、このアプリを使って自己表現したり、世界中の人々とコミュニケーションをとったりしている何百万人ものアメリカ人の憲法修正第1条の権利をあからさまに侵害するものだ」

とトゥーミー副所長は述べたことを伝えて、政府は、

「極めて深刻で差し迫った危害をもたらさない限り、コミュニケーション・プラットフォーム全体を閉鎖することはできない。」

旨を強調している。

トランプ次期大統領は、どのように動くのだろうか?

127日のCNN

What’s next for TikTok now that the app might get banned?”

では、

「前任期中、最初にTikTokを米国から追放しようとしたのはトランプ氏だったが、最近ではもはやアプリを追放したくないと示唆している。」

と述べ、

「トランプ氏は6月、プラットフォーム自体に投稿された動画で、“TikTokを決して禁止しない ”と述べたと報じている。一方で、大統領就任式の1日前に禁止令が発効されることを考えると、トランプ大統領がそれについて何かできるかどうかは定かではない。」

とも報じている。

同報道では、ミネソタ大学のアラン・ローゼンシテイン准法学教授のCNN向けの以下のコメントを引用している。

「トランプ大統領は議会に法律の廃止を求めることもできるが、専門家によればその努力はおそらく失敗するだろう。その場合、トランプ大統領には2つの選択肢がある: 司法長官に法を執行しないよう指示するか、TikTokはもはや法の対象外であると発表するかだ。」

127日のBARRON‘S

Will Trump Save TikTok? Some Experts Have Their Doubts.”

の記事では、インディアナ大学ブルーミントン校のサラ・バウエル・ダンズマン准教授(国際学)のコメントを引用し、

「トランプ大統領は、アップル 、グーグル、そしてTikTokの他のサービスプロバイダーに対し、TikTokの運営を維持することを罰するつもりはないと伝えることで、禁止令を施行しないことを選択する可能性があるという。」

と述べる一方で、

「しかし、このような動きによってTikTokに明かりが灯り続けるとは限らない。」

とコメントし、

「これは法廷闘争を引き起こす可能性があり、アプリストアは、トランプ大統領が法律を施行しないと言っても、法律違反であることを快く思っていない可能性が高い」

とその理由を伝えている。

また、同記事では、BTIG director of policy research のボルタンスキー氏の興味深いコメントも伝えている。

  • TikTokはこの決定を不服として最高裁に上告し、差し止めを要求すると見られている。最高裁が上訴を審理する間、禁止を延期すれば、トランプはその時間を利用して、より広範な関税交渉の一環として中国と売却交渉を行うことができるという議論を聞いた。

ボルタンスキー氏は、

「そのシナリオでは、おそらく中国はより広範な貿易交渉の譲歩の一部としてTikTokの売却を認めるだろう。」

と述べているが、

「このコンセプトは、現実の可能性というよりも、小説のストーリーのように感じられるが、それでも言及する価値はあるだろう。」

ともコメントしている。

来月の大統領就任前に、トランプ次期大統領がどのようなアクションを起こすのか、引き続き、注目していきたい。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール