語られることのない、アリート米国最高裁判事とマーク・マーティン元ノースカロライナ州最高裁長官の重要な関係について

米国には、調査報道と言うジャンルで活躍している独立したジャーナリストも多く、多くのメイン・ストリーム・メディアが政府のプロパガンダをそのまま垂れ流す現代にあっては、調査報道の果たす役割は大きい。

 
 
 
 
 

私は、ここ数年はウクライナ戦争に強い関心を持って来たこともあり、このトピックに係る調査報道も幾つか読んでが、米国の調査報道のジャーナリストとして著名なSeymour Hersh氏がロシアとウクライナを結ぶ海底のパイプラインであるNordstream Pipelines の一部が破壊された件をSeymour Hersh氏が米国のバイデン政権の関与と爆破のオペレーションの詳細を明らかにしたことなどが記憶に新しい。

さて、今回、ご紹介する調査報道は、The Interceptである。

同メディアは“左翼・リベラル系”の非営利調査報道組織で、記事やポッドキャストをオンラインで公開している。

2014年の設立で、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド、ジェレミー・スキャヒル、ローラ・ポイトラスの3人によって設立され、当初はeBayの共同創業者であるピエール・オミダイアが自身のメディア会社First Look Media23を通じて資金を提供して立ち上げられたとされている。

同メディアのミッションは、強大な力を持つ組織や個人の責任を追及する「攻撃的で独立した敵対的ジャーナリズム」を生み出すことであり、ジャーナリズムを「市民活動の手段」ととらえ、情報によって市民に力を与えることで、意義ある変化を促すことを目指しているとされている。

また、同メディアは、左翼的な編集スタンスで報道と分析を行っている。

同メディアの紹介はこれくらいにして、ここからは同メディアで10月3日に公開された

”The Untold Link Between Justice Alito and Trump’s Election-Denying Efforts”

と言う記事についてご紹介したい。

この記事は、Shawn Musgrave氏の署名記事である。

彼がこの記事の中で訴えたかったことは、左翼・リベラル派の立場から、語られることが無かった、アリート米国最高裁判事とマーク・マーティン元ノースカロライナ州最高裁長官の重要な関係についてであり、これは以下のように要約できる。

  • マーティン氏の2020年選挙後の行動

  • マーティン氏は2020年の大統領選挙後、トランプの権力維持を支援するため、選挙不正の主張や憲法解釈の極端な理論を提唱した。

  • 1月6日の夜、マーティン氏はトランプ前大統領と9分間の電話会話を行なった。

  • マーティン氏は「州議会が大統領選挙人の選出に絶対的な権限を持つ」という過激な理論を広めた。
  • アリート判事との関係

  • 1月6日の議事堂襲撃事件からわずか20日後、アリート判事はマーティン氏と共にリージェント大学法科大学院で3日間の憲法法セミナーを教えた。

  • アリート判事とマーティン氏は2020年、2021年、2022年と3年連続でこのセミナーを共同で教えた。

  • この関係は、アリート判事のトランプ前大統領への共感に関する疑問を深めている。
  • マーティン氏の継続的な影響力

  • マーティン氏は現在、ハイポイント大学の法科大学院長を務めている。

  • アメリカ法律協会やアメリカ法曹協会の委員会など、法曹界の権威ある組織で活動を続けている。

  • 最近、極右グループがマーティンを最高裁判事候補として挙げた。
  • 懸念事項

  • マーティン氏の行動に対する精査が不十分であることが指摘されている。

  • アリート判事との継続的な関係が、最高裁判所の中立性に対する懸念を引き起こしている。

左翼・リベラル派の立場から見ると、現在の米国連邦最高裁判事の過半が共和党が政権を担っていた時に任命されたこともあり、政治的にも重要な事例で、保守的な判決が下され続けていることに忸怩たる思いがある。

来たる大統領選挙において最高裁判所が重要な役割を果たす可能性がある中で、この状況は特に注目されている。

この記事では、マーティン氏のように法曹界の高位にある人物が2020年の選挙結果を覆そうとしことや、その後も影響力を維持し続けていることに対して、左翼・リベラル派から懸念を提起している。

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