再び緊迫化するウクライナ情勢

9月14日のAPの

“Biden meets with British leader and brushes off Putin’s threats about weapons for Ukraine”

の記事では、英国のキール・スターマー首相は、本日、ホワイトハウスを訪問し、ウクライナがロシア軍によるイランからの新たな弾道ミサイル供給に備える中、ロシア国内での長距離兵器の使用制限を解除するようバイデン大統領を説得する狙いもあると、米国当局者がAP通信に語った。

同記事では、ウクライナとアメリカやヨーロッパの多くの支持者は、バイデンが西側が提供する長距離兵器の制限を解除することを望んでおり、バイデンが政権の方針を転換する兆しもあると報じている。

 
 
 
 
 

9月12日のNY Timesの

“Biden Poised to Approve Ukraine’s Use of Long-Range Western Weapons in Russia”

の記事では、ニューヨーク・タイムズ紙が欧州当局者の話を引用して伝えたところによると、バイデン大統領はロシア国内の軍事拠点を狙うために英国とフランスのミサイル(ストームシャドウ/SCALP巡航ミサイルなど)を許可すると見られているが、射程距離約190マイルのATACMSミサイルのような米国製の長距離兵器は許可しないという。

9月13日のReutersの

“Poland hosts Blinken, joins calls to lift weapons restrictions on Ukraine”

によれば、ポーランドのトップ外交官がワシントンに武器制限を解除するよう要請したと、アントニー・ブリンケン国務長官の訪問中にワルシャワから報じた。

同記事では、欧州歴訪を終えたブリンケン氏は、水曜日にキエフでウクライナ当局者と、戦争がどのように展開し、どのようなニーズがあるのかについて広範な協議を行ったと語ったが、ワシントンがこのような攻撃を承認する用意があるかどうかについては明言を避けたと報じた。

また、

「ウクライナのパートナーから学んだことは、今後数カ月間、われわれが作業を進め、考える中で、他の同盟国や他のパートナーと数日、数週間にわたって行う議論に役立つだろう」

とブリンケン氏は語ったとされる。

西側の長距離ミサイルのウクライナへの供与に対する、ロシアの反応を見てみると、9月12日のSputnik Japanの

「露領奥深くへの攻撃許可は、前から決まっていた=ラブロフ外相」

では、

「西側兵器による露領奥深くへの攻撃をウクライナに許可することは、かなり前に決まっていたと信じて疑わない。今彼らは、それを公の場でより『エレガント』なものにしようとしているだけだ」

と言うロシア外相のコメントを報じている。

更に、プーチン大統領は、ウクライナの同盟国に対して別の不吉な警告を発し、木曜日に

「長距離攻撃を許可することは、NATO諸国が “ロシアと直接戦争する “ことになる。」

と述べた。

最後に、ウクライナ情勢が再び緊張化して来ている状況下、国連事務総長報道官はウクライナによるロシアへの長距離攻撃に懸念を示した。

9月14日のSputnik Japanの

「ロシアを長距離攻撃しても平和は訪れない=国連事務総長報道官」

では、ロシア領に対するウクライナの長距離攻撃を許可しても、紛争は終結に近づかないと述べた。

国連事務総長のドゥジャリク報道官は記者会見で

「我々が耳にするレトリックや現場で目にするものは、国際法と憲章の枠組みにおいて望む形の紛争終結には向かっていないことの新たな証拠であると思う」

として、強い懸念を示したと報じている。

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