Sheinbaumメキシコ大統領の就任式にプーチン大統領は出席するか?

メキシコは、2024年10月1日のSheinbaum大統領就任式にプーチン大統領を招待すると8月に発表した。

この招待状は、メキシコが国交のあるすべての国の首脳を招待するという、標準的な外交儀礼の一環として送られたとされている。

プーチン大統領が個人的に出席するのか、ロシアを代表する政府高官を派遣するのかはまだ明らかにされていない。

 
 
 

プーチン大統領の外遊でしばしば問題になるのは、国際刑事裁判所(ICC)が2023年、プーチン大統領をウクライナの子どもたちの不法な国外追放に関する戦争犯罪で告発し、逮捕状を発行したことだ。

今回の場合は、メキシコはICCに加盟しているが、ロシアは加盟していない状況にある。

メキシコ外務省は、メキシコが外交関係を結んでいるすべての国、およびメキシコが関与している国際機関にSheinbaum大統領の就任式の招待状を送ったと発表しており、招待状の範囲: 招待状は、208名の外国首脳と34の国際機関の長に送られたとされている。

そしてその中には、ウクライナのゼレンスキー大統領も含まれており、在メキシコ・ウクライナ大使館はメキシコ政府に対し、プーチン大統領が大統領就任式に出席した場合はICCの逮捕状を遵守し、同大統領を拘束するよう強く求めている。

9月9日のThe KYIV Independentの

“Mexico denies Ukraine’s request to detain Putin during visit”

では、

「メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、メキシコがプーチンを拘束することはできないとし、“それはできない。” “われわれが決めることではない。”とメディアに述べた」

と報じている。

 
 

ここで同様の状況が、プーチン大統領がICC加盟国の9月3日から始まったモンゴルを訪問した際にも発生したが、一時期は逮捕の可能性がニュースを賑わしたが、訪問してみれば、逮捕どころか、レッド・カーペットの歓待を受けたことは記憶に新しい。

モンゴルもICCによる逮捕状発行のことは十分承知の上で、モンゴルのロシアへの経済依存度の深さや今後の経済発展のポテンシャルを鑑み、このような結論になったものと思われる。

両国の良好な経済、外交及び軍事関係を念頭に考えると、プーチン大統領への招待は、メキシコとロシアの関係が強化される中で行われたもので、2023年9月のメキシコ独立記念日のパレードにはロシア軍部隊が参加したこともあり、プーチン大統領は、Sheinbaum大統領が本年6月の選挙で勝利したことを祝福し、メキシコを「ラテン・アメリカにおけるロシアの歴史的に友好的なパートナー」と言及したとされている。

(9月9日のBusiness Standardの“Mexico invites Putin to Oct 1 presidential inauguration of Sheinbaum”から)

最後に、ロシアとメキシコの関係を見てみると、メキシコはロシアと1890年に外交関係を構築し、1924年、メキシコはソビエト連邦を承認し、外交関係を樹立した。

1991年のソビエト連邦解体後、メキシコはロシア連邦との外交関係を継続した。

外交関係 両国はアジア太平洋経済協力会議、主要20カ国・地域(G20)、国連などの国際機関に加盟している一方で、経済的には、両国は石油産出国としてOPEC+のメンバーでもある。

2023年度でロシアとメキシコの双方向貿易は総額24億米ドル程度。注目のBRICSについては、メキシコはBRICSのメンバーではなく、加盟に特段の強い関心があるとはされていないようだ。

というのも、メキシコの関心は経済・地政学的に北米大陸と関係が強く、とりわけ米国との関係が非常に重要であるとされているからだ。

プーチン大統領が、メキシコのSheinbaum大統領の就任式に出席するか否かまだ正式には分からないが、仮に出席するとなれば、メキシコの外交関係には勿論、配慮しないといけないが、9月初旬のモンゴル訪問以上に大きなインパクトをグローバルの外交に与えることは間違いないだろう。

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