F-16戦闘機のウクライナへの移送が始まる

7月10日のAljazeeraの“NATO allies begin transfer of F-16s to Ukraine as leaders meet in US”では、NATO同盟国による、ウクライナにF-16 戦闘機の移送が開始されたことが、以下のように報道されてます。

 
 
 

アントニー・ブリンケン米国務長官は、NATO首脳会議で、世界の指導者たちがウクライナへの継続的な支援を約束する中で、米国製のF16戦闘機の第一陣がウクライナに移送されると述べました。

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領もキエフにおいてアメリカ、デンマーク、オランダがウクライナ空軍の強化に協力してくれたことに感謝しました。

NATO加盟国は、ウクライナを支援するためパトリオットや戦略的防空システムを追加供与することを発表し、F-16の維持、武装、パイロットの訓練も行っていくことが明らかにされました。

これによりウクライナはロシアの侵略から自国を防衛する能力を強化することが期待されています。

F-16 戦闘機のウクライナ配備に係る問題は、配備される戦闘機の数とどのようにウクライナ空軍のパイロットがF-16 を操縦出来るように訓練するかと言う2点にあるようです。

前者の件については、ゼレンスキー大統領は以下のように述べています。

7月10日のPoliticoの“F-16s head to Ukraine to begin flights this summer”では、同大統領は

「火曜日、サイドイベントの中で、自国には少なくとも128機のF-16が必要であり、輸送中のF-16は少なすぎるし、戦闘に投入されるのも遅すぎる」

「「我々には300機が必要だ。 必要なのは……ディフェンスだから、128機必要なんだ」

と述べたと報道されています。

同じPoliticoの記事によれば、

「デンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギーは先に、60機以上の米国製F-16ジェット機を今夏ウクライナに輸送することを約束していた。」

と報道されています。

後者の問題については、前述のPoliticoの記事では、

「キエフにとってもう一つの大きな問題はパイロット訓練である。 ウクライナは米国でのパイロット訓練のペースに不満を表明しているが、ワシントンは学校の座席に限りがあり、利用可能なだけのパイロットを訓練することはできないと反論している。」

と述べられています。

7月10日のThe D Briefでは、専門家による見方を以下のように紹介しています。

  • ワシントンにある戦略国際問題研究センターの最近の分析によれば、NATO諸国はウクライナに65機のF-16を提供しており、これらの航空機を大量に使用することが最大の効果をもたらす可能性が高い。

  • 例えば、「ウクライナは、地上での戦争に必要な航空支援を実現するために、12個中隊近くの戦闘機が必要であり、4個中隊が各中核任務((1)敵防空の制圧、(2)航空阻止、(3)防御的対空)を主に担当する。この目標を達成するには、216機のF-16が必要で、各飛行中隊に18機ずつ配備される。これはもちろん、これまでの公約よりもかなり多い。

最後に、7月10日のRTの“NATO state to donate F-16s to Ukraine”の中で、ロシア政府のスタンスが以下のように書かれています。

ロシア政府は、F-16はアメリカのB61核重力爆弾を配備することができると警告し、約束された納入をエスカレートさせ、潜在的な核リスクとして扱ってきた。

これらの兵器の一部は、NATOの核共有プログラムの一環としてヨーロッパに保管されている。

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