バイデンVSトランプのディベートが終わって_いよいよ政局が始まった

今週は何といっても、6月27日に開催された、米国大統領候補者のディベートに尽きるかと思います。

Bloomberg/Businessweek Dailyの記事を見ると、バイデン大統領のパフォーマンスがかなり酷いことから、ディべート中の記者仲間でも「これは、大変だ」と短いテキスト・メッセージが流れて来たと書いてましたね。

その後のメイン・ストリーム・メディアの報道を見ても、バイデン大統領のパフォーマンスが良くなかったことで、一気にバイデン大統領の再選の可能性が事実上なくなり、一気に民主党の中は代理候補の議論に進んでいるような印象を受けます。

民主党のカマラ・ハリスやバイデン大統領の代替候補者と見做されている人を除けば、これだけ民主党やメイン・ストリーム・メディアが一斉に同じ方向に動いているのを観察しますと、逆に、このような最悪ケースは、シナリオとしては十分想定済みであったと言うことを示しているかと思います。

そもそも、こんな早い時期に米国大統領候補者のディベートを設定したこと自体が異例な訳ですから、民主党の中で、”仕掛け”をしたと言うことなのかなと推察します。

つまり、バイデン大統領がディベートでトランプ前大統領を相手に十分対峙できないのであれば、11月の大統領選挙の民主党の候補者からは辞退してもらい、代替候補者を8月に民主党大会で決めましょうと言うパスを作っておこうとする“予防的”な動きが民主党にあったと言うことなのかなと。

ここで、大きな役割を果たしているのが、主にNYだと言われていますが、Seymour HershのSubstackの投稿を読んでいると、超大口のスポンサー(政治献金の大口寄付者)の意向が大きいのかなと感じます。

バイデン大統領もメディアからのインタビューでは事前に質問を貰って、プロンプターに出た答えを読んでいた訳ですから、こんなディベートは受けたくなかった筈ですが、加齢に伴う衰えを隠せなくなって来たバイデン大統領は、超大口のスポンサーから、11月の大統領選挙に向けて継続して資金援助を望むなら、しっかり立ち振る舞えるところを見せろとかなり強いプレッシャーを受けていたとSeymour Hershを含め他のメディアでも報道されています。

Seymour Hershと言えば、最新のSubstackの投稿では、『少なくともある外国の指導者は、バイデン大統領との非公開の会談の後、大統領の衰えは目に見えており、私に言わせれば、再選キャンペーンの「厳しさに耐える」ことができるのか理解しがたいと語った』と聞いてたことも述べています。

米国の現職大統領に対して、外国首脳がこのような印象を持っているとすれば、バイデン大統領が職務を続けることが、外交上も大きな問題になっていることは言うまでもありません。

考えても見て下さい。

ウクライナを利用して、ロシアとの代理戦争を米国は展開しており、戦況が不利なウクライナに対して、欧米から供与した武器・兵器を用いて、ウクライナによるロシア領土内への攻撃も認めたりする等で、ロシアの設定するレッド・ラインを既に超えており、これが理由で日本も含めて世界は第三次世界大戦の入り口に立っている時に、米国の最高指揮官が外交上・軍事上十分なお仕事が出来ないのは、単純に問題外と言えます。

さて、この後の展開はどうなるのでしょうか?

カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムやイリノイ州知事のJ・B・プリツカー、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィトマーなどの名前が挙がっています。

ギャビン・ニューサムなどは政治的野心に溢れていますが、これまでもバイデン大統領の代替候補の可能性を尋ねられる度に、バイデン大統領への忠実な支持をマントラのように唱えています。

(実は、個人的にバイデン政権の商務長官であるジーナ・レモンドは、要注意と見ています。)

本来は、副大統領のカマラ・ハリスがバイデン大統領の後任としては、制度上も一番妥当である筈ですが、そこが、2020年に副大統領に相応しい能力や知見で副大統領を選んでいなかった、

つまり、肌の色や性別が選考基準に大きな比率を占める左翼リベラルな発想がベースにあった為に、カマラ・ハリスの業務執行実績を見れば、彼女をバイデン大統領の後任候補として推すのが大変難しいのかなと思います。

一方で、6月29日のWall Street Journalの“The Question on Democrat’s Minds: How to Replace Biden?”を読むと、カマラ・ハリスが大統領候補に選ばれた場合には、バイデン大統領の選挙キャンペーンや民主党が有する212百万ドル(5月末現在)は、彼女が選挙活動に費やすことができるものの、他の候補者の場合は、資金調達はゼロから始める必要があるとのこと。

11月の大統領選挙まで130日。民主党が8月の党大会で、バイデン大統領からの民主党大統領候補者からの辞退を取り付けたとしても、そこから選挙活動を始めても、もう選挙までは100日を切っています。

前述の候補者では、短期間の選挙戦で、トランプ前大統領に勝てる見込みがあるか否かと問われると、現実的には大変難しいミッションだと言えるでしょう。

(ミシェル・オバマが代替候補として出れば、話はまた、違うでしょうけれども)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール