頭の体操_Nikki Haleyのトランプ支持の意味

共和党大統領候補であった、Nikki Haleyのトランプ大統領がニュースになって、今さらどうしたのかな?と思ってたのですが、ひょっとするとこのニュースはトランプ大統領の11月の大統領選に大きなインパクトを与える話なのかなと想像し、頭の体操として実はこんなことが舞台裏ではあったのかなと想像してみました。

それは、彼女の超大口ドナーが、彼女を通じてトランプ大統領支持にスタンスを変えて、トランプ大統領に大口の寄附をすることをしたのではないかと言う仮説です。

5/24のabc Newsの記事では、Nikki Haleyのトランプ支持発言を受けて、「彼女が言ったことに感謝している」とトランプ大統領のコメントを紹介しており、その後、トランプはヘイリーの「チーム」に居場所があるかもしれないと提案し、彼女を「能力のある人」と呼んだことを紹介し、「まあ、私たちは同じ考え、同じ考えをたくさん持っているので、彼女は私たちのチームに入ると思います」とトランプ大統領が述べたと報道しています。

これは単なる、トランプ大統領のリップ・サービスなのかしら?あるいはもっと深い意味があるのでしょうか。

確かに、共和党支持者の中でも依然として、アンチ・トランプ大統領のスタンスの人が一定数いる中で、Nikki Haleyのトランプ支持発言で、彼女の支持者がトランプ大統領支持に廻れば、共和党内の融和が進み、トランプ大統領の支持基盤がいっそう強化されることにはつながると思います。

更に、Nikki Haleyの大口ドナーの中で、大統領選挙の支持者を明確に決めていない者がいれば、彼女のトランプ大統領支持発言によって、トランプ大統領を支持するスタンスに変えてくれれれば、トランプ大統領にとってもメリットのある話だと思います。

でも、これだけだと頭の体操として、まだインパクトが弱いなと思っています。

やはり、彼女のメガ・ドナーが彼女を通じて、トランプ大統領支持に変え、大口の寄付をコミットすると言う話があれば、それはインパクトの度合いが全く違います。

元来、Nikki HayleyのスタンスはAnti-Russia, Pro-Ukraine, Pro-Israelのグローバリストであったと思うので、メガ・ドナーがこういった施策を次期トランプ政権の中でも実現していきたいと思うなら、Nikki Haleyのような政治家をトランプ政権の要職に置くことを求めたかもしれないし、Nikki Haleyは2028年の大統領選挙には参戦し、ポスト・トランプを担う覚悟をしているのであれば、トランプ政権に主要ポジションで参加する一方で、MAGAのサポーターからの支持を獲得していくのは彼女の今後の政治家としてのキャリヤー、特に米国初めての女性大統領を狙うのであれば非常に重要だと思います。(個人的には、Tulsi GabbardやKiristi Noemを応援していますが。)

Perplexityを使って、Nikki Haleyの百万ドル以上のメガ・ドナーを調べてみるとなかなか興味深いものがあります。

Reid Hoffman
リード・ホフマン(Reid Hoffman)

LinkedInの共同設立者であり、民主党の著名な献金者であるリード・ホフマンは、ヘイリー支持派のスーパーPACであるスタンド・フォー・アメリカ・ファンド社に25万ドルを献金した。ホフマンは反トランプの候補者や運動に資金援助をしていることで知られている。

Ken Griffin
ケン・グリフィン(Ken Griffin)

億万長者のヘッジファンド・マネージャーでCitadelの創設者は、ヘイリー氏の選挙キャンペーンを支援するスーパーPACに500万ドルを寄付した。グリフィンは当初、2024年の大統領選には参加しなかったが、後にヘイリーを支持することを決めた。

Charles Koch
チャールズ・コッホとコッホ・ネットワーク(Charles Koch and the Koch Network)

コークが支援するスーパーPAC “Americans for Prosperity Action”はへイリー氏を支持し、多額の資金援助を行った。同ネットワークは今年上半期に7000万ドルを調達し、うち2500万ドルはコッホと彼の非営利団体から。

Jan Koum
ヤン・クーム(Jan Koum)

WhatsAppの共同設立者であるヤン・クーム氏は、ヘイリー氏のスーパーPACへのトップクラスの寄付者であり、総額1,000万ドルを寄付した。

Tim Draper
ティム・ドレイパー(Tim Draper)

ベンチャー・キャピタリスト。ヘイリー氏のスーパーPACに125万ドルを寄付。

James Davis
ジェームズ・デイビス(James Davis)

New Balanceのオーナーは2月にヘイリー氏の選挙キャンペーンに100万ドルを寄付。

David and Nicole Tepper
デビッド&ニコール・テッパー(David and Nicole Tepper)

カロライナ・パンサーズのオーナー夫妻は2月、ヘイリー氏のスーパーPACにそれぞれ110万ドルを寄付。

この中で注目されるのは、ケン・グリフィン(Ken Griffin)と、チャールズ・コッホとコッホ・ネットワーク(Charles Koch and the Koch Network)の両名です。

前者は、トランプ大統領がVP候補が指名した段階で、トランプ大統領を支持するか否か決めると言ってます。

後者は、上院・下院議員の有力候補に資金を出していくとして、大統領選挙への資金コミットは一旦ペンディングにしています。

特に、Nikki Haleyがコッホ・ネットワーク(Charles Koch and the Koch Network)からのトランプ大統領支持を取り付けるようなことに大きく貢献しているのであれば、これは大ホームランとなり、トランプ大統領の再選の可能性がぐんと上がることになるでしょう。

更に、Nikki Haleyの支持者を見ると、金融界からはスタンレー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)とジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)がいます。

ジェイミー・ダイモンは、ご承知の通り、JPモルガン・チェースのCEOで、直接の献金はしていないが、ビジネスリーダーやリベラルな民主党議員に、トランプ氏に代わる選択肢としてヘイリー氏を支持するよう促して来ましたが、ここのところはトランプ大統領の過去の政策を見て、再評価するような発言をしています。

これらのNikki Haley関連以外では、トランプ大統領の支持を表明した、Blackstoneのスティーブン・シュワルツマン(Stephen A. Schwarzman、CEO)のニュースが5/24には飛び込んで来ており、彼は、11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領の陣営による資金集めを支援すると表明しており、トランプ大統領の再選には非常に大きな力になると思います。

Bill Ackman

更に、私が個人的に注目しているのは、Pershing Square Capital ManagementのCEO兼創設者のビル・アクマン(Bill Ackman)です。

億万長者のヘッジファンド・マネージャーである Ackmanは、2024年の大統領選挙でトランプ大統領を明確に支持したわけではありませんが、トランプ大統領への投票を検討していることは明言しています。

2016年はトランプ大統領に、2020年はバイデン大統領に投票したAckmanは、バイデン大統領のパフォーマンスに不満を表明しており、再びトランプを支持する可能性も残しています。

彼は、米国の大学で広がる反イスラエル抗議活動に対しても積極的に発言していて、今、社会的な影響力が大変大きくなっています。

このように、トランプ大統領の再選の可能性が上がってくる中で、次期政権の中の影響力を確保する動きが顕在化して来ているのかなと言う印象を最近強く感じています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール